インプラントなどに頼らず、自己管理をきちんと行っていつまでも自分の歯を使い続けることができるに越したことはありませんが、なかなかそうもいきません。しかし、たとえ歯を失ったとしても自分の歯に劣らない素晴らしいものがあるというのは心強いものです。医師がブリッジや入れ歯ではなくインプラントを勧める理由は、残った歯に負担をかけることがなくこれらの寿命を短くしてしまう心配もないからです。さらに咬む機能が衰えないですむことや、外見的にも自分の歯となんらかわるところがないというメリットは、心身ともに健康を維持することにつながります。インプラントの手術の成功率は現在のところ97%で、絶え間ない研究により100%に限りなく近づく日も間近でしょう。
インプラントという言葉はあまり聞きなれない言葉ですので、つい最近に始まった治療なのではないかと思ってしまいがちですが、インプラント治療のように、歯根を顎に埋め込んだ治療は、7世紀ぐらいから存在すると言われています。1931年に南米で発掘された遺体の下顎の前歯にインプラント治療がされていたのです。
インプラントの治療の実際について、ご説明しましょう。インプラントの治療は、基本的にどんな方でも受けることが可能です。ただし、あごの骨が細くやせてしまっている方などではインプラントに伴う付帯治療が必要であったり、あるいは抜歯程度の治療でも受けるのが困難な方の場合には、インプラントの治療を受けられない場合もあります。インプラントの治療は日々進歩していますから、過去にインプラントの治療が困難であるといわれた経験のある方でも、再度受診してみるのも良いでしょう。
インプラント治療のための手術が始まりました。まず、インプラント治療を施す箇所に麻酔をします。局所麻酔ですから、意識はありました。そして、なくなった自分の歯の根にあたる人工の歯の根をアゴの骨に埋め込んいきました。これで、第一次の手術は終わりました。インプラントはチタンを使うことが多いのですが、インプラントとアゴの骨がしっかりと結合されるまで間を置かなければなりません。この治療の間は、患部に仮の歯を入れるので、見た目には普通の歯のように見えるのです。
インプラントのフィクスチャーにチタンが使われ出したのは1960年代です。元々肌に易しい、アレルギーを起こさない金属ということで使われたのだと思いますが、インプラントに使ってみると生体と親和性がよく、骨とうまく結合してくれました。これ以降、フィクスチャーはチタン性のものがほとんどとなっています。このフィクスチャーを埋め込んだら、それが歯槽骨と結合するまで数ヶ月待ちます。